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DATE : 2024/03/19 (Tue)
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DATE : 2006/07/19 (Wed)

 FIFAの認定している最古のサッカーは紀元前206年ごろの中国までさかのぼり、当時すでに現在のゴールとピッチに相当するスタジアムの中で、足のみで球を蹴るというルールのもと行われていた蹴球であるという。

 近代サッカーといわれるものになると中世ヨーロッパの農村地帯で行われていたフットボールと呼ばれる遊び(あるいは儀式)で、村同士で1つのボールを互いの村まで運んでいくものだった、とするのが定説である。

 いつ、どのような目的でこのような遊びが始まったかはよく分かっていない。サッカーもラグビーも起源は同じであり、当時は明文化されたルールはなく、手を使おうが足を使おうが何でもありで、参加人数も決まっていなかった。多くの地域に共通するルールとして「一点先取」したほうが勝ちというルールが採用されていた。そのため決められた地点にボールを持っていくまで、何日間も試合が終わらないという事態が度々あった。

 死傷者も多く発生し、他人の財産を傷つける事もしばしばあったため、ヨーロッパでは時の国王がしばしば「フットボール禁止令」を発令している。イングランドの一部地域では現在でもこのようなクラシックなフットボールが祭典として行われている。

こうした農村での遊びとしてのフットボールは、近世までヨーロッパ各地で行われていたが、近代が始まり産業革命によって、大量の工場労働者を生み出すために農村の共同体が崩壊させられた事によって次第に廃れていった。農村の代わりにフットボールをレクリエーションとして受け入れ、近代的な「スポーツ」として成立させたのがイングランドにおけるパブリックスクールである。

 パブリックスクールでも当初は農村での遊びに近い形態で行われていたが、次第に子弟に対する教育の一環としてのスポーツとして体裁が整えられて行った。この時点でのフットボールはパブリックスクール毎にルールが異なるため、学校同士の試合を行う度にどのようなルールで試合を行うか事前に話し合いがもたれていた。

 当然このような形態ではルールに対する理解に齟齬を来たす上に、事前に協議する手間がかかるので、パブリックスクール同士でしばしばルールの統一を目指した協議が行われていた。

 こうした努力が功を奏して、1850年代までにはイートン・カレッジを中心とする手を使うことを禁止するルールと、ラグビー・スクールを中心とする手を使うことを許可するルールに大きく2分された。しかしながら両者の間には依然としてルールの理解に対して大きな隔たりがあったため、1863年に最終的なルールの統一を目指した協議がロンドンで開催された。この協議は、物別れに終わり、ラグビー校の代表が協議の場を退席することで2つの競技(サッカーとラグビー)の決別が図られた。

 この瞬間こそサッカー誕生の瞬間である。イートン校を中心とする「手を使う事を禁止する」ルールを主張していたパブリックスクールの代表によって同年にフットボール・アソシエーション(Football Association)が設立され、こうしたフットボールを協会式フットボールAssociation Footballと呼ぶようになった。

 このAssociation Footballを縮めた形 soc に「人」を意味する -erをつけたものがsoccerの語源であり、1880年代頃から使われているといわれている。

 15世紀イタリアでもイングランドのフットボールに良く似たカルチョ(calcio)という遊びが存在した。この遊びがイングランドやフランスと決定的に異なる事は、イングランドやフランスのように農村地帯の広い空間で行われていたのではなく、都市の限られた空間である広場で行われていたことである。

 そのため自ずとフィールドが限定され、参加人数も限られたものとなり、簡単な役割や作戦も決められていたようでこれは現在のフットボールにかなり近い存在であったと言える。そのためイタリア人は現在でもイングランドから輸入されたこのスポーツをサッカーやフットボールではなく「カルチョ」と呼び、フランス人と同じく自国が発祥の地だと信じて疑っていないようである。

 日本においては、1872年に神戸市の外国人居留地でサッカーの試合が行われたのが最初なのか、それよりも東京築地の海軍兵学校でサッカーが行われたのが先なのか、で見解が分かれている。一方本格的にサッカーが伝わり、日本人もサッカーをプレーし始めたのは1905年にイギリス人教師が東京高等師範学校(現在の筑波大)に赴任し、サッカーチームを結成したのが始まりと言われている。
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